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2023.04.15

CDジャケットと音楽と、私。

CDジャケットと音楽と、私。

音楽が大好きです。

 

初めて誕生日にもらったのは、シングルレコードでした。子どもの頃、レコードをジャケットから取り出しプレーヤーに置いて、針を落としてから聴ける時間は約3~5分。ジャケット写真や裏に印刷された歌詞から歌の世界を想像しながら耳を澄まして、歌を覚えることがいつの間にか習慣になっていました。

やがて、1980年代後期になるとレコードからCDに主要メディアが移り、ラジカセやコンポなど、再生装置のコンパクト化に伴い、その手軽さから1990年代にはCD時代に突入。テレビのタイアップやカラオケとの相乗効果もあり、メガヒットが連発されました。

 

2000年代以降、iTunesが登場して音楽をデータで聴く概念が多くの人に浸透していくと、広範な技術が進み、さまざまな聴き方ができるようになり、今では月額聴き放題といったサブスクリプションのサービスで多彩な音楽を手軽に楽しめる時代となりました。

しかし、自分にとってそういったサービスはどうも苦手に感じていて、欲しい音楽があると未だにCDやDVDというパッケージ商品を購入してしまいます。目に見えないデータでは何となく物足らず、手で触れられる「モノ」として手元に置いておきたいという所有欲が捨てきれないのです。

 

購入したCDを聞くとき、ビニールで包まれているパッケージの封を切って、プラケースを開けてコンパクトディスクを取り出し、CDプレーヤーの再生トレイに置きます。一連の動作は、スマホと比較すると手間がかかるので、それを面倒と感じる人は少なくないでしょう。しかし、音楽を聴きながらじっくりとブックレットのデザインを楽しんだり、歌詞カードを目で追ったり、作詞家や作曲家、演奏者のクレジット表記を見て他の楽曲に想いを馳せたりなど、音楽の世界にゆっくり浸れるのは全く別の体験であるような気がしています。

 

ブックストアと同じようにCDショップも減少傾向が続いていますが、店頭の買い物ならではの楽しみがあります。ジャケットを見られる売場スペースは、ほぼ新譜に限られますので旧譜は棚にきっちり収められて、背にあるタイトルだけが手に取るきっかけになります。あらかじめジャンル分けされていたり、ABC順で並んでいたりする中で、タイトルやアーティスト名の書体や色が表す雰囲気から音楽の主張を感じさせてくれるものがあり、自分の好みに合っていると思わず手が伸び、帯やバックカバーなどCDをくまなくチェックして気に入れば即レジへ。その購買行動を起こさせるきっかけとして、デザインは優れた力を秘めていると感じます。音を聞かなくても、視覚表現だけでその雰囲気を伝えるためには、音楽への敬意や愛情が作り手側に必要不可欠だと思っています。

 

私たちが音楽に関わる業務として、キングレコード様がリリースされるCDジャケットのデザイン制作があります。童謡からジャズやクラシック、演歌など幅広いタイトルシリーズを約20年ほど手掛けさせていただいております。貴重な音源の中から、2枚組80タイトル、1枚組160タイトルという多彩な音楽が毎年5月、店頭に並びます。デザイン制作をする上で、その音楽性を表現することはもちろん、既出と似かよったものにならないように最善を尽くしています。一人でも多くの方にCDを聴いていただけるように、毎年みんなで知恵を絞りながら、意欲を持って取り組んでいます。

この記事を書いたヒト

さき山

さき山

1968年生まれ。北海道出身。

2000年中途入社。組版作業の正確さの追求という強みを活かしながら、提供できるサービスの幅をより広く。営業として常に他者から学び、思考を巡らせ、ベストセラーよりロングセラーを目指したい。