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2024.03.30

デザインにおける校正の役割

デザインにおける校正の役割

3月3日に行われた東京マラソン2024。それに先駆けて大会オフィシャルパートナーのアシックスが東京マラソン2024限定記念Tシャツを販売しました。しかしアシックスは2月28日、公式サイトを通じて記念Tシャツに誤植があったとして謝罪をしました。このTシャツの背面にデザインされた、ゴール地点の「FINISH」が誤って「FUNISH」とプリントされていたのでした。

 

このニュースに対して、SNSでの反応は
「楽しみ(FUN)ながらフィニッシュするということでいいんじゃない?」
「逆にプレミア感があって欲しい!」
…などと、意外と好意的な反応も多かったようです。

 

しかしデザイン・印刷に関わっている身としては他人事とは思えないニュースで、誤植をしてしまった背景には何があったのか考えてしまいます。馴染みのある単語だから確認が甘くなったのか、制作スケジュールに余裕がなかったのか…などなど。どんなに優れたデザインでも制作物の内容に間違いがあれば、お客様の信頼を失ってしまう可能性があります。基本的なことではありますが「校正」の作業がとても大事になってきます。

 

校正とは、原稿など正しいとするものと作成中の紙面を比べて、制作物が正しくできているかを確認することを指します。文字や数字ばかりでなく、デザインや発色の確認も行い、特に発色の確認を行う校正を色校正(色校)といいます。

 

弊社では校正部が常時在席しているので、制作から校正までをスムーズに行うことができます。誤字脱字はないか、言い回しの表現は正しいかなどを確認して読みやすい紙面にします。さらにデジタル検版機を使用して精度の高い紙面をつくります。検版とは修正前の元原稿と新原稿を重ね合わせ、赤入れされた箇所が正しく修正されているか差分を確認する作業で、デジタル検版はこれを手作業ではなく修正前後のPDFをアップロードするだけで差分を見つけやすくするシステムです。修正する必要がない箇所が変わっていないかを確認することもできる便利なシステムです。

 

デジタル検版機を導入している会社は私にとって初めてで、あまりにも便利すぎて入社した当時は衝撃を受けました。安心してデザインの作業ができる環境だと感じたことを覚えています。

 

デザイナーはデザインやレイアウトをするだけでなく、原稿が制作物に正しく反映されているか、修正漏れがないかを自身で校正しています。個人的な考えですが、校正で細かい気づきができると、デザインをブラシュアップする上で役に立つと思います。デザインの細部にまで気を配れるようになり感覚が研ぎ澄まされて、より良いデザインが生まれます。

 

簡単な校正作業の説明にはなりましたが、弊社ではこのようにしてミスをなくし精度の高い紙面を目指しています。さまざまな紙媒体だけでなく、Webや動画バナーへの取り組みも強化しております。ご興味をお持ちいただけましたらお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

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この記事を書いたヒト

IKE☆CHI

IKE☆CHI

2014年中途入社。横浜出身のグラフィックデザイナー。

趣味は古着屋巡りとサッカー。休日はヴィンテージとボールを追い求め、大好きなカレーとビールでリフレッシュするのが定番コース。大好きなことをいつか仕事で恩返ししたいなぁと思う今日この頃。